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ジャパンディスプレイに厳しい現実、台湾の投資会社も出資離脱
東証1部上場のディスプレイ製造大手「ジャパンディスプレイ」は、5月30日付で公表していた台湾と中国の3社から最大で800億円の出資を受け入れる資本業務提携契約について、台湾の投資ファンド「CGLグループ」(出資予定額:約141億円)から、出資を見送る旨の通知を受けたと発表

ジャパンディスプレイは、5期連続で大幅な赤字を計上するなど業績が悪化しており、事業継続には抜本的な財務体質の改善が急務となっているものの、出資元の思惑により状況が二転三転するなど厳しい現実に直面

一方、3社のうちの残る1社で中国の投資ファンド「ハーベストグループ」は、出資額を引き上げるなど追加の支援にも積極的で、また、新たな出資予定候補者として香港の投資ファンド「オアシスマネージメント」が名乗り出ています。なお、これら新しい枠組みでの出資可否について、6月27日までに出資元での内部決定が行われる予定

この問題を巡っては、3社のうち台湾のタッチパネルメーカー「TPKホールディング」(出資予定額:約250億円)が、すでに出資の見送りを表明

ジャパンディスプレイの再建に不安?

東証1部上場のディスプレイ製造大手「ジャパンディスプレイ」は、5月30日付で公表していた台湾と中国の3社から最大で800億円の出資を受け入れる資本業務提携契約について、予定していた6月14日までに3社から出資可否の通知を受けていないと発表


ジャパンディスプレイは、5期連続で大幅な赤字を計上するなど業績が悪化しており、事業継続には抜本的な財務体質の改善が急務となっているものの、今回の出資見送りにより、再建計画への大きな不安が顕在化

その3社のうち台湾の1社が出資の見送りを決定したと報道され、ジャパンディスプレイは事業の継続に向けて、新たな出資候補先との協議を開始


こうして、国策は敗れた 日の丸液晶JDIを追い込んだ致命的な「読み違い」

iPhoneへの「依存」強かったのが足かせに

日の丸ディスプレー「頓挫」の文字が主要紙の紙面に踊った。業績不振で経営再建中の中小型液晶パネルの世界的大手「ジャパンディスプレイ(JDI)」が、台湾と中国の企業連合から約800億円の金融支援を受けることになったことだ。
発表の翌13日朝刊紙面では朝日、読売、産経などが見出しに大きく「頓挫」と打ち、日経は4日朝刊1面トップの〝前打ち〟記事で「頓挫」の見出しを掲げた。毎日なども13日記事の文中にその文字を使った。日本の官民ファンドINCJ(旧産業革新機構)は筆頭株主から外れ、外資の傘下で再建を図るという、まさに「国策」が敗れた日だった。
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1年で200億円以上消えた現預金

JDIは2012年、日立製作所、ソニー、東芝の液晶事業を政府主導で統合し、旧産業革新機構が2000億円を出資して誕生した。スマートフォンに使う中小型の液晶パネル市場では世界有数のシェアを持ち、2014年には株式上場も果たした。しかし、その後は中国勢などとの低価格競争で業績が悪化し、2019年3月期まで5年連続の連結最終赤字を計上する見込みで、2018年3月末に809億円あった現預金は、同12月末時点で544億円まで大幅に減少し、出血が止まらない状態だった。
不振の主因は、アップル依存と次世代の有機ELへの出遅れだ。売上高に占めるアップル向けの比率は、2014年3月期の3割から2018年3月期は5割超まで上昇した。だが、この稼ぎ頭が新型iPhoneの販売低迷で苦戦をしいられていく。特に石川県白山市に1700億円を投じて建設した液晶パネル工場(2016年末稼働)が、大きな読み違いだった。この投資資金の多くはアップルが負担していたが、そのアップルは2017年9月に発表した最上位機種に有機ELパネルを採用。有機ELで出遅れたJDIの液晶パネルの販売量は一段と落ち込み、赤字垂れ流しの構図を自力で変えることは出来なかったのだ。
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総額3000億円を投じたが...

今回、支援に乗り出した台中連合は、台湾のタッチパネルメーカー「宸鴻集団」(TPKホールディング)、台湾の投資銀行「富邦集団」、中国最大の資産運用会社「嘉実基金管理」(ハーベストファンドマネジメント)。再建スキームは、(1)台中連合が普通株で計420億円を出資し、JDIの議決権の49.8%を握る、(2)台中連合は380億円の新株予約権付社債(転換社債=CB)も引き受け、合計で800億円を拠出、(3)INCJはJDI向け債権の一部(750億円)を議決権のない優先株に切り替えるなどして支援を継続――というもの。INCJの議決権比率は25.3%から12.7%に低下する。台中3社は6月上旬にかけて順次、正式に支援を機関決定する予定で、それまでの間はINCJが資金繰りを支えることとされ、19日、200億円のつなぎ融資が発表された。
これらとは別に、アップルは白山工場建設費など1000億円とされるJDIへの債権の返済を一部繰り延べに応じて支援することになった。
JDIは設立から、経済産業省主導だった。このデジタル時代はスマホが中核アイテムになるとして、その重要部品たる液晶の業界再編を官が主導し、日本が技術力で世界をリードしようという思惑だ。2015年には経営不振のシャープの液晶事業もJDIが買収する構想まで持ち上がった。まさに「日の丸液晶」だったJDIに、INCJを通じて投じた資金は、出資分も含め、総額3000億円になる。

反省の弁なかった経産相

今回、世耕弘成経産相は「延命に手を貸すつもりはない」とたんかを切ったが、重要部品と位置付けた液晶が「コモディティ(汎用品)になった」(経産省幹部)という読み違いへの反省の弁はなかった。
ひとまず再建の道筋は決まったが、先行きは不透明感がぬぐえない。
当面の難題の一つは、台中連合3社が計画通りに出資を機関決定できるか。これは信じるしかないが、現行の株価より大幅なディスカウントで出資を受けるので、JDIの株主総会(6月)で承認を得るのも、そう簡単ではない。
もう一つ、米当局の審査も懸念材料だ。対中強硬路線をとるトランプ政権は嫣然保障上の観点から中国資本による買収に神経をとがらせており、アップル向けの取引が多いJDIに中国資本が入ることをどうみるか。特に台中連合が中国にJDIと協力して有機EL工場を建設する計画といわれるだけに、米当局の判断が注目される。
こうしたハードルを乗り越えたとしても、経営再建は容易でない。第1のポイントは有機EL。スマホのディスプレーは液晶からこちらへ、ますます切り替わっていくのが確実。JDIが2019年後半、アップルへ腕時計型端末「アップルウオッチ」向けの有機ELパネル供給を始める予定で、有機EL市場にようやく参入する。ただ、先行するサムスンなど韓国勢などは巨額の投資で逃げ切りを図っており、出遅れをいかに挽回するかが課題だ。

「挽回」のカギ握る企業とは?

そこで関係者が注目するのがINCJの傘下にあるJOLED(ジェーオーレッド)の存在だ。JDIも15%出資していて、2017年末までに出資比率を51%に引き上げて子会社にする計画だったが、2018年3月末に白紙に戻った。JDIの資金繰りひっ迫で余裕がなかったということだが、JOLEDは低コストで有機ELパネルを生産できる「印刷方式」技術の開発を進めている。製品化できれば世界でも戦える「希望の星」だけに、台中との関わり方を含め、JOLEDとの関係は、JDIの今後に大きな影響がある。
こうした不確定要素を多く抱え、今後の多額の開発資金などの調達も含め、今回で再建計画が打ち止めと見る向きは少ない。

Source: 今日から実践!ストレスフリーな美しい節約の極意3つ

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